急速に広まるDX化の波を受け、企業が新システム導入のために外部委託を利用する機会が増えています。発注元の企業が理想とするシステムを実装するには、委託先となるシステムベンダーに業務を一任せず、ベンダー管理を主体的に行うことが大切です。本記事では、システム導入の成功に欠かせないベンダーマネジメントの概要をはじめ、VMO(ベンダー・マネジメント・オフィス)とその考え方についても解説いたします。
この記事の目次
ベンダーマネジメントとは、会議や発注を通してシステムベンダーとの友好な関係を築きながら、システム開発の過程をマネジメントしていくことです。
システム導入プロジェクトでは、要件定義の不備や業務・システムの複雑さなどが影響し、QCD(Quality:品質・Cost:コスト・Delivery:納期)の面で予定していたとおりに事が運ばないケースも起こり得ます。さらに、発注先のシステムベンダーが複数になると、プロジェクトの進行はより複雑さを増していきます。
それゆえ、発注元企業が自社の理想とするシステムを実現するには、プロジェクトにおいて以下のような役割を果たし、QCDを確保するべくベンダー管理を行うことが求められます。
発注元企業は、システムベンダーに開発業務を一任したり、提案を待ったりするのではなく、情報共有などで連携強化を図りながらベンダーコントロールを行い、主体的にプロジェクトを進めることが大切です。
ベンダーマネジメントの業務は多岐にわたります。そこで、より効率的なベンダー管理のために編成される専任の組織がVMOです。VMO では、ベンダー価値の最大化と開発リスクの低減を目的に、個別の部署・担当が受け持っていた契約管理やパフォーマンス管理、モチベーション管理などを集約し、組織的にベンダーマネジメントを行います。
以下では、VMOの円滑な運用で役立つ3つの考え方をご紹介します。VMO設立が難しい企業の場合も、この考え方にのっとり、チェックできる体制を社内に敷くことが、ベンダーマネジメントにおいて有効です。
VMOのゴール設定は、ITコスト削減を主眼に置く「調達最適志向」と、ビジネスの新しい価値・サービスの創出を目指す「戦略連携志向」の大きく2つがあります。
このゴール設定が異なると、取るべき施策やシステムベンダーとの関わり方も変わってきます。従って、発注元企業は事前にVMOで目指すゴールを定め、さらにはそのゴールに沿って自社で担うべき業務と外部へ発注する業務を整理しておくことが求められます。
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新システム導入で役立つ!システムベンダーとのコミュニケーションのポイント
システム導入プロジェクトでは、担当者が社内のステークホルダー間の合意形成やシステムベンダーとの意見交換を重ねながら、必要事項を検討・判断していく場面があります。
例えばシステム開発を行ったある企業では、担当者がシステムベンダーから必要事項の社内検討を依頼されたものの、次の打ち合わせまでに検討が行われていなかったため、プロジェクト進行にタイムロスが生じてしまいました。
こうしたことが起こる要因の一つとして、特に大企業の場合、担当者が判断ミスをした時の代償に尻込みし、結果として検討事項を先延ばしにしてしまうことがあるようです。
社内調整は、システム導入プロジェクトにおける重要な仕事の一つです。とりわけ、要件定義に関わる部分の合意形成を曖昧にしていると、後でコストオーバーや計画の遅延といったトラブルに発展する可能性もあります。判断が難しいケースでも、合意形成をおろそかにせず、丁寧に検討を進めていきましょう。
システムベンダーは、あくまでも外部委託先であり、各種の提案はできるものの、代わりに何かを決断することはできません。
予算や工期が限られており、想定外のトラブルが起こり得るシステム開発では、担当者にとって難しい決断を迫られる場面があるかもしれません。しかし、そのような時にも、システム価値の最大化やリスク低減を念頭に置き、ベンダーとの綿密なコミュニケーションを通して一つずつ確かな決断を重ねていくことが、理想とするシステムの実装には必要です。
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システムベンダーからの提案を客観的に評価するための選定基準とポイント
システム導入プロジェクトでは、適切なベンダーマネジメントを行うことが開発工程の明確化やお互いの正しい意思疎通を促します。その積み重ねが最終的に理想としていたシステムの実装にもつながることでしょう。
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