社内ポータル導入までの全体の流れと、外注先のベンダー選定のコツ
社内ポータル導入の成功を導くポイントや外注先のベンダー選定方法について詳しく解説。業務システムの導入プロセスや重要なポイントを押さえ、失敗を防ぐコツを紹介。
社内ポータルは、社内のコンテンツを統括し、業務や情報共有の効率化を実現する重要なシステムです。一方で構築には手間や費用を要し、せっかく導入したとしても適切な運用ルールを定めなければ運用に失敗する可能性もあります。本記事では、社内ポータル導入の失敗を防ぐために、導入プロセスとその中でのポイントを解説します。
社内ポータル導入のプロセスとポイント
社内ポータルを導入を検討する企業にとって、導入プロセスとポイントはあらかじめ知っておくべき重要項目です。自社にとって、便利で有用な機能が搭載された社内ポータルを導入するために以下に留意し進めていきましょう。
導入の目的を明確にする
社内ポータルは導入の過程で様々な検討事項や社内調整が発生し、時間とリソースを要する一大プロジェクトです。そのため、プロジェクトを進めるうちにいつの間にか、社内ポータルの導入自体が目的となってしまうこともしばしば見受けられます。
こうした事態を回避するためにも、最初の段階で導入目的を明確に言語化することが重要です。細かく言語化しておくことで、導入担当者やユーザー間で共通の認識を持ちながら導入を進めることができるようになり、また様々な検討を行う際も「なぜ導入するのか」といった本来の目的に立ち返りやすくなり、そこからブレない意思決定を行いやすくなります。
要件定義を行う
続いての段階では、社内ポータル内に必要な機能を決めていきます。その際に、実際の現場でユーザーがどのようにその機能を使用するのか、使用シーンを想定することが重要です。
要件定義の段階では、社内ポータルに実装してほしい機能に対する要望が膨らんでしまいがちですが、実際の利用シーンを現場に落とし込んで想定しておくことで、それらが本当に必要なのか、必要な場合もどの程度の水準を求めるのかの判断が行いやすくなります。
また、その機能を使うことで得られる未来像も一緒に想定できると、担当者間で共通のゴールを持ちながら、要件定義以降のフェーズを進めやすくなります。導入時にユーザーの協力が必要なシーンにおいても、導入後の未来を説明することでユーザーからの社内ポータルへの期待も高まり、協力をスムーズに得られやすくなることでしょう。
実装機能以外の部分でも、情報漏えい対策やアクセス権限、社内ポータルの運用方針もこの段階で決めておきます。
デザイン設計
デザイン設計では、ユーザー目線での使いやすさ・分かりやすさを意識することを心がけましょう。実際の業務と照らし合わせても使いやすそうか、ユーザーからのフィードバックを回収し、精査したうえでデザインに反映させます。社員の経験年数・年齢を問わず、ベテランでも新人でも、どの部署のどの社員でも、社内ポータルで快適に業務できるようなデザインを設計していきましょう。
システムの構築
いよいよシステム構築です。自社内にWeb技術スキルを持つ社員がいたり、専門部署がある場合は自社でゼロからスクラッチ開発という選択肢もありますが、そうしたリソースがない場合はパッケージ製品を購入するといいでしょう。
外部のベンダーに依頼するケースも多いですが、その場合は完成時のクオリティや見積金額を大きく左右するため、提案依頼書の作成に必要な情報の精査までは、発注前に社内でしっかりと行っておきましょう。自社だけで行うことが難しい場合は、要件定義の前段階から細かなフォローを行ってくれるベンダーを探しましょう。
運用(コンテンツ追加やメンテナンスなど)
社内ポータルの構築が完了したら、まずは実働テストを行います。実際の使用感を知ることで、想定と違う部分について、機能あるいは運用ルールを修正して調整したり、不具合の修正を行ったりすることができます。そして、要件定義に従った運用を実施するために、必要なコンテンツを追加していきます。特にトップページは全社員に必要な情報、頻繁に使うアプリや閲覧するサイトへのリンクを配置するなど利便性が高まるようにメンテナンスしていきましょう。
外注によるシステム構築のポイント
社内ポータル構築を外注する企業は非常に多いですが、委託先のベンダー選定で失敗しないためのポイントをご紹介します。発注前に、以下の項目の確認をしっかりと行っておきましょう。
導入の目的や目標を明確にする
ベンダーに依頼する前に、社内ポータルを導入する目的と、導入して何を実現したいのか、必ず明確にしましょう。
これが無いと、ベンダーに見積作成を依頼する際、ベンダー側は本当に必要な機能が何になるのかの判断が難しくなり、見積金額を精緻に算出することができなくなります。また、導入が始まった後においても、本当に必要な機能の選定や、適切な運用ルールの設定が難しくなり、結果として使われないシステムが出来上がってしまった、という事態を引き起こしかねません。
コストや時間を最小限に抑え、ユーザーに定着する社内ポータルを導入するためにも、現状の課題やユーザーの要望を調査した上で、社内ポータルに何を求めるのか、しっかりと精査・言語化をし担当者間で共有しましょう。
他社の社内ポータルをチェック
他社の社内ポータルをリサーチすることで、自社側のイメージが鮮明になるだけでなく、ベンダー側も、顧客がどのような社内ポータルを望んでいるのかイメージがしやすくなります。理想の社内ポータル像を共有し合い、互いに同じゴールに目を向けることで意見の食い違いを防ぎ、コミュニケーションコストの削減や、不要にから生じる無駄な時間や労力などを防げます。
ネットワーク環境の確認
自社の社内ネットワーク環境に関する情報は、委託先のベンダーにあらかじめ共有しておきましょう。ベンダー側は社内ポータル構築に関する高度な技術を持ってはいるものの、自社の社内ネットワーク環境までは理解していないことも多々あります。そのため、構築が進む中で、社内ネットワーク環境で使えないことがわかるとやり直しが発生し、その分工期が遅れ、場合によっては料金がかさむこともあるので、注意が必要です。
外注先の選定
委託先は、社内ポータルの開発に実績のある会社や、口コミなどで評判がいい会社などを選ぶことが大切です。ベンダーによっては過去に手掛けた実績をサイト内で紹介している場合もあるため、それを元に自社の理想と照らし合わせて、自社が求める社内ポータルを構築できるノウハウを持ってるベンダーか、判断することができます。特に自社と同じ業界や、企業規模が近しい会社での導入事例が有る場合、参考にすると良いでしょう。
ポイントを押さえて、社内ポータルの導入を成功させよう
社内ポータルは非常に便利なシステムである一方、導入から定着までには様々なコストや時間を必要とします。導入した後で失敗だったとならないためにも、導入の流れとポイントをきちんと押さえておきましょう。
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