業務システム

システム導入プロジェクトにおける社内調整を円滑に進めるコツ

業務システムの導入プロジェクトにおける社内調整の重要性と成功のポイントを解説。スムーズなシステム構築のためのコツを紹介します。


systemRequirements

システムの導入プロジェクトにおいて成否を分けるポイントの1つが「社内調整」です。この記事では、ステークホルダーの理解と協力を得て、プロジェクトの円滑化を図るための社内調整に役立つ企画書作成のポイントと、弊社がこれまで多くのシステム導入プロジェクトに携わるなかで見聞きした社内調整の成功・失敗エピソードをご紹介します。

システム導入の企画書作成時点で押さえるべき、社内調整をスムーズにするポイント

システム導入には経営層をはじめ、情報システム部門、営業部門など、様々なステークホルダーが存在します。社内調整の円滑化を図るには、議論や合意形成のベースとなる情報をステークホルダー間で共有するべく、企画書等の社内説明資料でプロジェクトの概要をあらかじめ言語化しておくことが有効な手段です。

ステークホルダーへの説明資料作成に必要な3つの要素

それぞれに違った視点や意見を持つ複数のステークホルダーからの理解と協力を得るため、社内説明資料の作成では、以下の3つの要素を盛り込むと良いでしょう。

 

1.なぜこのシステム導入プロジェクトを行うのか:プロジェクトのビジョン

2.プロジェクトにかかる期間はどのくらいか

3.システム導入プロジェクトで何を行うのか

1.なぜこのシステム導入プロジェクトを行うのか 

3つの要素の中で最も重視されるのが、「なぜこのシステム導入プロジェクトを行うのか」の答えに相当するプロジェクトのビジョンです。

 

人を動かし、共感を得るための効果的な方法として知られる「ゴールデンサークル理論」では、物事の説明や提案の際にWhy(なぜ)→How(どのように)→What(何を)の順で伝えることを推奨しています。そしてこの3つの中で最も重要としているのがWhyです。

 

この理論はシステム導入プロジェクトでも役立つ考え方です。ゴールデン理論に当てはめて考えた場合、Whyはプロジェクトの展望やあるべき姿に当たるビジョンに相当します。つまりシステム導入プロジェクトに際して、Why、すなわちプロジェクトのビジョンをまずは明確にし、プロジェクトの意義を伝えられるようにしておくことが、ステークホルダーの心をつかむ説得力のあるストーリーづくりの鍵となります。

 

具体的には、システム導入の背景や現状の課題を示し、導入したいシステムが課題を改善する手段になり得る理由を伝えられると良いでしょう。

2.プロジェクトにかかる期間はどのくらいか

ゴールデンサークル理論のHowに相当し、どのようにプロジェクトを実現するかに関わる部分です。導入するシステムがほかのシステムとも関連がある場合、プロジェクトにかかる期間は全社的にも特に重要な位置付けとなります。

3.システム導入プロジェクトで何を行うのか

ゴールデンサークル理論のWhatに当たる部分です。システム導入時には、具体的に何を行うことになるのか、それによって現状がどう変化するのかなどを説明します。

 

社内調整を行っている段階の資料は、稟議用に作成するシステム導入企画書の場合が大半ではないでしょうか。この時点では、差し当たりシステム導入の最終ゴールが決定してあれば十分です。最終ゴールへ至る過程に不明瞭な点があったとしても、導入決定後にシステムベンダーとのブラッシュアップも図れます。

社内関係者と積極的にコミュニケーションを取る

プロジェクトの開始に当たり、ステークホルダーとなる部署や発起人の上司を経由して協力者を募っておくことをおすすめします。その人脈から集めた情報は、社内説明資料等のベースとなるだけではなく、システム導入時のベンダーとの話し合いで、自社が行いたいことを明確にしていく上でも役立ちます。

システム導入時の社内調整における成功例・失敗例

次に、弊社がシステム導入を支援したお客様の中で、社内調整が円滑に進んだケースと難航したケースではどのような違いがあったのか、実例を交えて解説します。

社内調整に成功した事例

社内調整が円滑に進んだケースでは、その成功要因として、プロジェクト担当の情報システム部からユーザーに対し、行ってほしいことについての明確な指示を出せた点が挙げられます。

 

プロジェクトで発生する作業は、ゴールデンサークル理論に則ってWhy→How→Whatを逆算し、ビジョンやプロジェクトのゴールを定める過程を通じておのずと洗い出されていきます。そうすると、ユーザーにどのような作業や情報提供を依頼する必要があるかも必然的に明らかになっていきます。

 

可能であれば、システムベンダーが実際にユーザーへヒアリングできる機会があるとさらに良いでしょう。精度の高い情報収集によって、ユーザーに求める作業や情報提供の依頼をより的確にできるようになります。

社内調整に失敗した事例

一方、プロジェクトに混乱が生じた事例として、システムベンダーとのすり合わせの段階で把握できていなかった移行希望のデータが、後になって出てきたケースが挙げられます。こうした事態は、社内調整がうまくいかず、プロジェクト担当者がステークホルダーからの情報を収集しきれていなかったことが一因です。

 

特にデータ移行が終了した後、担当者が知らない間に、システム内のデータ数が事前に移行を予定していたデータ数より増加していたなどのケースは注意が必要です。その場合、システム管理側で移行を予定していたデータが網羅されているかの確認が取れなくなります。こうした事態を避けるためにも、社内調整を通じて移行希望のデータの把握は入念に行っておくことをおすすめします。

システム導入後のビジョンを明確にしてスムーズな社内調整を

システム導入プロジェクトをスムーズに進行するには、あらかじめ導入後のビジョンやプロジェクトの意義を明確にしておくことが重要です。結果として、ステークホルダーからの理解を得やすくなり、円滑に業務が進むだけではなく、システムのクオリティにも良い影響を与えます。

 

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